この地上で、星々と出会う。

全米化学週間

宇宙開発の成功を支える「化学」の力

子どもの頃は宇宙飛行士になりたいと思うものです。それは当然です。確かに、宇宙飛行士は賞賛され、インタビューを受け、栄光に輝きます。それでも、何千人もの人々がたゆまぬ努力を続けて彼らを宇宙に送り出さない限り、宇宙飛行士が宇宙飛行士になることはありません。

化学が可能にする無限の可能性とその先

2018年の全米化学週間のテーマは「Out of This World(「この世界の外」または「この世の物とは思えない素晴らしさ」という意味)」でした。私たちはこれを記念して、宇宙旅行を可能にしている化学や科学の裏方のヒーローたちを表彰しました。

その他の舞台裏のヒーローも少し紹介しました。つまり、化学の力で作られ、今日まで宇宙開発を支えてきたChemours(ケマーズ)の製品です。

キッチンの外でも活躍するTeflon™(テフロン™)

Teflon™(テフロン™)はその焦げ付き防止性能でよく知られていますが、様々な宇宙関連の用途にも使われています。特に注目したいのは、火星探査機のロボットアームや電子モジュールです。また、ローバーが撮影した火星表面の象徴的な画像は、Teflon™(テフロン™)樹脂がなければ存在しなかったでしょう。

火星探査の半世紀前には、人類で初めて月面を歩いた宇宙飛行士、ニール・アームストロングとバズ・オルドリンの宇宙服にTeflon™(テフロン™)が使用されていました。初期のアポロ計画では、Teflon™(テフロン™)が宇宙服の最外層を構成し、流星塵によって穴が開いて減圧するのを防いでいました。

トーマス・ジョセフ・ケリーが開発した月着陸船により、宇宙飛行士は人類で初めて無事に月面に着陸しました。50年後、いつでも安全に火星に着陸できるようにTeflon™(テフロン™)ふっ素樹脂が使用されています。

宇宙に進出するKrytox™(クライトックス™)

州間高速道路80号線(Interstate 80:I-80)を走行する自動車でも、軌道上を飛行するロケットでも、Krytox™(クライトックス™)高機能潤滑剤は同様の機能を果たします。ロケットが暖かく大気圧がある地表から冷たい真空の宇宙空間に移動するとき、ロケットモーターは膨大な量のエネルギーを発生させなければなりません。Krytox™(クライトックス™)高機能潤滑剤は、ロケットが宇宙へ移動する際に過酷な条件や高温に確実に耐えられるようにします。

宇宙服にもKrytox™(クライトックス™)高機能潤滑剤が使用されています。太陽光を浴びる場所と暗闇の間では数百度の温度差があるため、宇宙飛行士には(従来の潤滑剤とは異なり)広い温度範囲で潤滑特性を維持できる製品が必要です。

ロバート・ゴダードは世界初の液体燃料ロケットを発明しました。1926年3月16日のゴダードによる最初の打ち上げが、宇宙飛行とイノベーションを永遠に変えました。私たちはKrytox™(クライトックス™)高機能潤滑剤を使用して、ロケット、機械、メカニズムが確実にピーク水準の性能を発揮できるようにしています。

Viton™(バイトン™)に関する航空宇宙の歴史

1957年に開発されたViton™(バイトン™)は、高性能なシールエラストマーを求める航空宇宙産業のニーズに応えるためのものでした。とりわけ1996年のスペースシャトル「アトランティス」には、Viton™(バイトン™)が不可欠でした。Viton™(バイトン™)は、230℃を超える高温に耐えられる接着剤を必要としていた1996年のスペースシャトル「アトランティス」に不可欠な構成要素になったのです。エンジニアがViton™(バイトン™)フロロエラストマーを選んだのは、接着強度に優れ、耐久性、長期保存性があり、予測不可能な乱気流の中でも品質を損なうことなく十分な性能を発揮することが理由でした。

宇宙に存在するかもしれない生命体の探求に、サラ・シーガー博士ほど打ち込んでいる人は他にいないでしょう。私たちはViton™(バイトン™)フロロエラストマーを使用して、ロケットや地上の機器が宇宙開発の過酷な要求に確実に耐えられるようにしています。

将来のミッションを予測する

これらの製品は、化学が可能にしたそれぞれの性能を発揮して、大きな成果に小さな貢献をしています。偉業を可能にすることは、化学が私たちの生活を変え、世界を向上させる生きたものであることを示す一例です。化学とこれらの製品は、私たちを月へと導いてくれました。そして、いつの日か、火星に連れて行ってくれるでしょう。

化学が次にどんな景色を見せてくれるのか、楽しみでなりません。